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憧れの屋久島 ~ノーメイクの3日間④~

<縄文杉に逢いたい編>
フロントからの電話の音で目が覚めた。
嫌な予感。
「ガイドの方が迎えに来られてますよ」

ハイ。やっちゃいました。よりによってこんなときに朝寝坊。
結局寝付けなくて最後に時計を見たのが3:30。あと30分かー
4:00には鳴るはずのアラームがミスで鳴りませんでした。

「すいません!!いっ今起きたとこで、すぐ行きます!!」
「急いで」
と答えたガイドさんの冷たさ厳しさ、あー伝えきれない。
この旅二度目の「山をなめんなよ」

その後は信じられないくらい早かったよーーー
多分生涯1位。
トイレも行かず、髪もとかさず、顔洗って服着て荷物もって
所要時間3分。
かくしてガイドさんと気まずい雰囲気のまま、ツアー用のバスに乗り込んだのでした。

バスの中にいる、この日の縄文杉登山メンバーは
ガイドさんと
東京からきた若夫婦
母娘連れ
女の子2人連れ
「最近はもっぱらひとり旅で・・・」と、もごもご喋る年齢不詳の男の人ひとり
と、私の計9人

それでも朝寝坊のショックでバスに乗っても何がなんだかわかってない状態。
「やってもうたー」
起床から1時間後、
わけのわからんまま荒川登山口にて朝ごはんのおむすびをほおばる私。
まぁでも逆にわけがわかっていなかったせいで
行きの登山口までの山道、車に酔わずに済んだのだけど。
まだ暗い中、降るほどの星がまたたいていましたが
寝坊に呆然として鑑賞の余裕なし。

行列30分待ちのトイレを済まし
AM6:30いざ登山出発。
往復22キロ所要時間12時間の過酷な登山です。
幸い、天気は予想を外して快晴!!

途中ポイントポイントでガイドさんが島の自然を教えてくれます。
もともと大阪出身で12年前に島に移り住んだという
ガイドさん(40代くらいのおじさん)は
「鹿児島の生産量の10倍の鹿児島牛肉がなぜか売られている」
「下関で水揚げされれば、出身はタイだろうとインドネシアだろうと下関のふぐ」
など、少しブラックジョークなネタをはさむ、ちょっとした皮肉屋さん。

縄文杉登山今までの最高齢は90歳
最重量は140キロ
女性の最重量はおそらく森久美子。
そう、森久美子も、市原悦子も登ったんだそうな。

片道11キロのうち最初の7キロは平坦なトロッコ道
その昔、杉の木材を運びおろすための車両だったそうな。
その線路沿いを
早朝だからかテンションも上がらず。
ガイドさんのペースに合わせて
9人がただ黙々と歩きます。
少し落ち葉が紅葉していました。
歩く速度は、少し早めのペース。
今思えば、あれぐらいのペースでないと一日で行って帰ってこれないんだろうな。
山も登山も初心者で、そういったペース配分も含め
けして安くないお金を払ってもガイドさんについてもらってよかったと思う。
いろんな貴重な話も聞けたし。

ガイドさん曰く
縄文杉登山は「オールオアナッシング」
「体育会系で自衛隊の演習に近いものがある」
「キツイけど技はいらない」
なんとなく意味がわかります。
確かに時間的に縄文杉を観にいくことだけが最終目標になっちゃうし
自衛隊の演習とまではいかないけど、ある程度キツイ。
で、昨今の人気で道はずいぶん整備されているから、
キツイけど歩きやすくて技はいらない。天気がよければ迷うこともないでしょう。
実際ひとりで登っている人も(女の子含む!)何人かいました。

トロッコ道を進む単調な2時間半
不規則に並ぶ枕木を見ながら
いろんなことを考えました。

恋愛のこと
結婚のこと
友達のこと
仕事のこと
母親のこと
これからのこと

最近プラン9にはまりすぎていたので
久馬さんの顔が脳裏を横切ったりもして。
睡眠不足と寝坊のショックで最悪のコンディションの中
いろんなことを考えて。
考えて考えて
でも
結局答えは出ないということ。


2時間半の平坦なトロッコ道を過ぎるといよいよ登山口
ここから3キロ、急勾配な山道のはじまりです。

白谷雲水峡のくだりでも書きましたが
同じ道でも登りはほんとキツイ。すぐに息が上がっちゃう。
下りは不思議に息も乱れず、時間も半分ほどしかかからない。
だけど
登りはキツくても一歩一歩確実に到達点に近づいていて辛くない。
逆に下りは楽だけど、すべるの怖いし、落ちていきそう。
私はそう感じました。

少し歩いただけで名もない杉でもこんなに立派
多分めちゃめちゃ贅沢な登山してんだろな。
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途中いろんな人とすれ違います。
見るからにティーンのグループ。
ひとりで黙々と登る若者。
同じようなエコツアーの団体。
中高年(特におばさま)の登山グループ。
一歳にも満たない位の赤ちゃんを背負って登っている若いお父さんもいました。
夫婦と赤ちゃんで3人の登山。お父さん汗だくです。
後ろ向きに背負われている赤ちゃんがとても愛らしく微笑ましかった。
登山道のいたるところでアイドルです。
小さすぎて多分、記憶には残らないだろうけど
潜在意識の中でお父さんの背中の感触や、
屋久島のマイナスイオンを吸収したんじゃないかなぁ。

しかしそれを見たガイドさん曰く
「あれは親の自己満足です」
「山登りは自分で自分の荷物リュックに詰めて持って、自分の足で登れて初めて登山。
自分のことが自分で出来ないうちは登る資格はありません」
今までの縄文杉登山最年少は5歳だそうです。

ところどころ休憩をはさみながら急勾配の登山道は続きます。
正直あんまり余裕なかったので写真は少ないです。
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ガイドさん曰く
「少し稼いだら稼いだ分だけ休む」
これが山登りのコツだそうです。
東京からきたツアー客なんかは、それこそ自衛隊の演習よろしく
厳しく先を急ぐそうですが
急な勾配を上がって標高を稼いだら、その分少し休むようにして登っていくと無理がない、と。

ポイントポイントで有名な杉や草花について
ガイドさんが説明をしてくれるのですが
この説明タイムも程よい休憩になります。
喋りっぱなしのガイドさんは慣れてるとはいえやっぱりスゴイなぁ。
他にもいろいろ面白い形の杉や有名なのがあったのですが
疲労>撮影の為、すいません、撮れた分だけ。

大王杉
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ウイルソン株
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ウイルソン株の中から上空を望む
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一番疲労を感じるのは
20代後半の女性だそうです。
というのも、まだ体の中に高校時代の体力の記憶があって
自分は出来るもんだと思っている。
しかし、もちろんその当時の体力はもうないし、
加えてエアコンの効いたビルでのオフィスワーク、
夜型の生活で
早朝からの登山はかなり堪えると。
屋久島を訪れた理由を、彼女らはガイドさんにこう言うそうです。
「今来ないと一生来れない気がして。」
確かに私も出来るだけ若いうちに登っとかないと、やばいなぁって思ったな。
それを聞いた、同じツアーの中高年のおばさんが言うそうです。
「これからの人生がもっと辛いのよ」
リアルだなぁ。。。

けどけど
私は31歳で登りましたが
40代でも50代でも60代でも
元気に登山されてる方は男女係わらずたくさんいらっしゃいます。
それはまぎれもない事実です。なんてったって見てきたもーん。

山頂付近で早めに昼食を取ります。
ここでガイドさんより山の湧き水でいれたホットコーヒーのサービス。
あったかかった~
携帯用バーナーで仲良くラーメンを作るカップルの姿もありました。

そしてそして
登り始めて約6時間
憧れの縄文杉に到着!!!

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樹齢3000年とも7000年とも言われるこの立派な大木。
(さすがに7000年はまゆつばらしい)
すっかり整備されてしまっていて
まわりには柵があり、残念ながら触れることはできません。
人気もすごくて、縄文杉周辺は人がごったがえしてます。
映画で見たように
幻想的な気分に浸る、という感じではないですね。残念ですが。
たっぷり20分ほど時間をとってくれたものの
こちらの方も疲労と達成感であまり余裕なかったりして。

次々と登ってくる人たち
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お名残惜しゅうございますが
しばしの休憩後、縄文杉を後に下山の途についたのでした。
下山はあっという間でしたが、行きの緊張感もうすれ、
メンバー間に少しの情もわき、
ポツリポツリだった会話も次第に堅さがとれ
和やかなムードでした。
天気が良くてよかった。
確かに事前に聞いていた通り
この登山は縄文杉を観にいくだけが目的となり、
自然に親しんだり触れたりする余裕はあんまりないかもしれません。
それでも、なにがしかの達成感と、心地よい疲労感。
妙に清々しい気持ちになれたのは
私が勤勉な典型的日本人だからでしょうか。
そしてこれも自己満足にすぎないのかもしません。


下山途中にパチリ。ワニっぽくね?
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~完結編に続く
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by ichiko1515jp | 2005-11-13 00:44 | days
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